フィリピン人は時間にルーズ？フィリピノタイムとは

フィリピノタイムというものをご存知ですか？

日本を含め、先進国では10時に待ち合わせをしたらその時間に待ち合わせ場所にいるのは良くあることだと思います。もし、10時より少しでも遅れてしまう場合は遅れてしまう、遅刻するというネガティブな響きのある言葉を使いますよね。

しかし、フィリピンでは違います。

フィリピンでは、待ち合わせ時間に１時間程度遅れることはザラで、彼らはこれをフィリピン時間と呼びます。遅刻ではありません。（ちなみに時間に正確なことをアメリカンタイムと呼びます）

これにはいくつか理由があるようです。

まずはじめに考えられるのは、渋滞。
多くの人が渋滞を理由に会社を遅刻します。これはもちろん受け入れられる理由ではないですが、今でも多くの人が渋滞のため時間に余裕を持つことができません。

最後に、遅れてくるのが、彼らの習慣でもありながら同時に文化でもあることを忘れてはいけません。

フィリピンではもっとも遅くに来た人が最も重要な人物とする文化がありました。
これはスペインがフィリピンを統治していた時代の小説に遡ります。

スペインの統治時に書かれた小説
ジョーズ・リザルの　『エル・フィリブステリスモ（El Filibusterismo）』という作品には
以下の様なシーンがあります。

「ある貴婦人とその旦那が映画館に最も遅く来て、
『我々は貴方達より遅く来たわよ。田舎者たち』
と言わんばかりに気取った態度で振舞っている」

この小説の表現技法からも見られる様に、フィリピンでは遅れてくることに、
時として重きを置かれることがあります。

この文化は現在でも引き継がれています。
フィリピンではfashionable late(おしゃれな遅刻)と呼ばれ、これは仕事では全く受け入れられない、ファッショナブルなものではないですが、パーティーの席等では頻繁に見かけられます。

文化相対主義が叫ばれている中、現地に済めば、理解しなくてはならない文化の壁というものがあります。また、フィリピンでは女性が重んじられているため男女の待ち合わせの時、女性が遅れるのは許されますが、男性が遅れると女性は比較的短気な方が多いためあまり待たせてしまうと、くたびれて帰ってしまいます。

フィリピンで知り合いが遅れた時
“I am sorry. I am running late.” (ごめんなさい、私は遅れそうです）
ではなく
“Filipino Time.”(フィリピン時間だよ）
と言っても、怒らず、互いの文化を理解してあげることが現在の国際化された社会では求められているのではないでしょうか。

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